40’s Mind Therapy ~陶芸で新しい自分に気づく~

女性の40代は、決して楽な時期ではありません。
悩んだり、心が沈んだりするときには、日常を忘れさせてくれる場所で過ごすひとときや、心を開放できる趣味が、支えになってくれることも。
そんな時間や場所をどんなふうに見つけたらいいのか、一緒に探していきたいと思います。
今回の特集は、「陶芸で新しい自分に気付く」がテーマです。

「第2回 仕事を辞めて不安定になっていた心が、陶芸で落ち着いてきた」

志織さんは、自分の作品づくりに取り組む時間とは別に、
毎週土曜・日曜には、陶芸を習いたいという生徒さんを受け入れています。
「土に触れて作りながら、自分のことをいろいろと話してくださいます。
陶芸には、何か人の心をほぐす力があるようですね」

40代の主婦というふたりの生徒さんと、お話をすることができました。

森元さん(仮名)は、半年前からこちらの工房に通っています。
以前、ずっと勤めていた会社を辞めてから、
気持ちが不安定になっていたといいます。
「朝起きて、行くところがない。
それが、日が経つごとにだんだん空しくなってきて……。
時間を埋めようとしてジムに行っても、なんだか違うんですよね。
といって、再就職先を見つけようとしても、
40代で子持ちの主婦に、仕事はなかなか回ってきませんし」

そんなときにネットで見つけたのが、志織さんの工房でした。
志織さんが同い年だということもあり、親近感を感じたのだそう。
思い立って、すぐに工房へ。
「ある日外出先から帰ったら、
玄関前に森元さんが待っていらしたんです」(志織さん)

「土をさわっているときって、何も考えてないんですよ。
没頭しているうちに、気持ちが落ち着いてくる。
つくりながら、先生とずーっとしゃべっていることもありますし、
それも楽しい時間。いつもの生活から離れられるというのかな」

陶芸に出会って、自分を取り戻した森元さん。
今は、元の職場に戻ってまた新たな気持ちで働いています。

(第3回に続く)

→ 特集「40’s Mind Therapy 第1回 陶芸をやってみたことありますか?」

→ 特集「40’s Mind Therapy 第3回 辛かった思い出を、土が全部吸い取ってくれる」

→ 特集「40’s Mind Therapy 第4回 陶芸で、懐かしく新しい自分に出会える」